平野啓一郎原作の傑作長編小説「本心」を映画化。「母を、作りたいんです。」“自由死”を選んでいた母の本心を知るために、AIで母を蘇らせる。同居する母(田中裕子)から「帰ったら大切な話をしたい」と告げられた朔也(池松壮亮)。その夜、氾濫する川べりに立っていた母を助けようとするも重傷を負い、1年もの間昏睡状態に陥ってしまう。目が覚めたとき母は亡くなっており、生前“自由死”選択をしていたと聞かされる朔也。さらに、ロボット化の波で勤務先の工場は閉鎖。唯一の家族を失くし、激変した世界に戸惑う彼は、仮想空間上に任意の“人間”を作る技術「VF」を知る。VFで母を作れば、“自由死”を選んだ理由がわかるかもしれない……。開発者の野崎(妻夫木聡)が告げた「本物以上のお母様を作れます」という言葉に一抹の不安を覚えつつ、VF制作に伴うデータ収集のため母の親友だったという三好(三吉彩花)に接触。彼女が避難所生活中だと聞き、「ウチに来ませんか」と手を差し伸べる。かくして、朔也と三好、VFの母という奇妙な共同生活がスタート。その過程で朔也が知る、母の本心とは。そして三好だけが知る母の秘密とは 。
監督: 石井裕也
出演: 池松壮亮/三吉彩花/水上恒司/仲野太賀/田中泯/綾野剛/妻夫木聡/田中裕子 ほか